2015-09-08

地下鉄の風景・・虎ノ門あたり

虎ノ門あたりだった。杉本は疲れた顔をしていた。半分眠っていた。僕は声もかけられなかった。普通なら必ず声をかけたはずなのに、だ。そしてそれが僕が東京で杉本を見た最後になった。まもなく彼女は東京を離れることになったからだ。彼女がおそらく一番美しかった。僕の知っている少女達の中で一番美しかった。いいかげんな僕に一番は何人もいるけれど、あの時は、少なくとも数年間はそう思っていた。つまり北野さんのことをしばらく忘れていた時期だったからだ。杉本は「杉本」であり杉本さんでも裕紀でもない。杉本・・なのだった。今でも・・だ。


2015-06-24

最近の薬漬けの日々から抜け出さなければならないのだけれど

優しいじいちゃん先生は薬をやめることを許さない。足の痛みはとれない。鈍い頭痛は消えない。見えている世界が少し怪しい。

2015-04-09

少し薬に頼りすぎている。

足が痛い。膝が痛い。腕がしびれる。眠気がくるのに眠れない。薬に頼りすぎているのかも知れない。

2015-02-27

村上春樹は作品上に自分を作ったけれど

いつのまにかそこから抜け出せなくなってしまった。そう思う。そして、自分を書かなくなったから、おそらく書けなくなったから。作品が残骸みたいになってしまったのだと思う。彼は自分がかつて書いた登場人物達・・それも背景を飾る脇役達のことを書いている。今、彼が書いているのは彼自身ではない。

2014-12-24

純粋な眼

もしかすると純粋な眼とは愚か者の眼のことを意味するのだろうか。純粋な眼とは何も考えていない眼なのかも知れない。

2014-10-14

私はつい、必要以上のことをしゃべる。

親しい人間に限ってのことだけれど。どうでもいい人々に、あるいは信用できていない人々に毒を吐くことはない。そんな人たちは、一撃で切り捨てるか、粉砕してしまうから。そう思えば・・だ。
親しい人たちについ余計なことをしゃべる。傷つける。自分自身は極端に傲慢なので、傷つくことはないのだ。ストレスがたまることもないのだ。大体ストレスを感じるということの意味がわからない。分かったふりをしてやり過ごしているけれど、実はわかっていないのだ。

2014-10-01

彼女が洗濯をはじめたら気をつけなくてはならない

彼女は病気なのだ。洗濯は洗濯機がする。彼女の家の洗濯機は全自動だ。いまどき、全自動でない洗濯機を探す方が難しいけれど。それはともかくとして、全自動洗濯機の前で彼女は長時間洗濯機を眺めているのだ。正確には洗濯機の回転する音を聞いてぼおっとしているのだ。そしてしばらくすると一時停止ボタンを押して、洗濯機を沈黙させ、安心して居眠りをはじめる。実際に特別なことがない限り、彼女の睡眠時間は平均して1日16時間ほどになる。起きている8時間のうち、4時間くらいは熱心にお笑いとスキャンダルのワイドショーを見て、食事は膨大な量を食べるけれども、時間は驚くほどに短い。通常のひとの3.4倍から5.6倍の量を10分ほどでガツガツブタのように食べ、牛のように肥満している。あるいはトドのようにだ。